ヌーディティとは精神性を肌で感じること
— アルノ・ラファエル・ミンキネン
フィンランドを代表する写真家の本格個展

森や湖などの美しい自然とともに、一糸まとわぬ自身の姿を撮影する写真家アルノ・ラファエル・ミンキネン。この独自の制作スタイルで国際的に高く評価されながら、日本国内では断片的にしか紹介されてこなかった彼の本格個展がついに実現する。
ミンキネンはアメリカ・マサチューセッツ州にあるフォスターズ・ポンドに居を構え、彼の故郷フィンランドとよく似たこの地で30年近くにわたって作品を制作してきた。本展ではフォスターズ・ポンドで制作された作品等の他、今回のために京都で撮り下ろした新作も出展される予定。
展示予定のシリーズのタイトル《THE SNAKE IN THE WATER》にある“水に泳ぐ蛇”は、自然が生み出す大きな力に逆らわず、向かい風のなか波間を縫って泳ぐ蛇の姿と自身の制作や人生そのものを重ね、表した言葉である。
ミンキネンは1945年フィンランドのヘルシンキに生まれ、51年にアメリカへ移住した。70年代に制作を開始した彼の作品はニューヨーク近代美術館（MoMA）等、世界各国の美術館に所蔵されている。2005年発刊のレトロスペクティブ写真集『SAGA: The Journey of Arno Rafael Minkkinen』（Chronicle Books）を機に企画された回顧展は、世界7カ国を巡回した。