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福島菊次郎は1921年山口県下松市に生まれた。戦後、広島における原爆被災者たちの困窮生活を知り、写真に記録することを決意。10年間にわたる取材をまとめた写真集『ピカドン ある原爆被災者の記録』(1961年東京中日新聞)は日本写真批評家協会特別賞を受賞した。これを機にプロとして活動を開始した彼は、三里塚闘争、ベトナム反戦運動、全共闘、自衛隊、公害、福祉、環境問題、若者の風俗等々、戦後の日本がかかえる様々な問題に取り組み、『中央公論』、『文藝春秋』、『朝日ジャーナル』などの雑誌で発表した写真は、約3300点におよぶ。1988年以降は癌を患いながらも、自作による約400点の写真パネルを制作し、「戦争責任展」等、問題を提起する写真展を開始、700カ所以上で開催した。2011年の福島第一原子力発電所事故発生に際しては、病をおして取材活動を再開するも、2015年9月24日脳梗塞のため激動の人生に幕を下ろした。
本展は本人が生前に自作し、取材コメントなどを付したベニヤ製パネルを中心に構成される。堀川御池ギャラリーでは、平和ミュージアムでの大規模展示へと連なるダイジェスト版として、約30点を展示予定であり、 反骨の写真家・福島菊次郎を追悼し、その活動を振り返る。ドキュメンタリー映画『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』(2012年)も同時期に上映予定。

福島菊次郎/共同通信イメージズ

福島菊次郎「発作に苦しむ被爆者 中村杉松さん」 ©FUKUSHIMA Kikujiro / Kyodo News Images

4a 堀川御池ギャラリー 2階

〒604-0052京都市中京区押油小路町238-1
地下鉄東西線「二条城前」駅 2番出口より徒歩3分

OPEN:11:00-19:00
CLOSED:月曜

¥400

horikawa© 2015 Naoyuki Ogino

4b 立命館大学国際平和ミュージアム

〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1
市バス12・15・50・51・55・59、JRバスにて「立命館大学前」下車、徒歩5分
市バス204・205にて「わら天神前」下車、徒歩10分

OPEN:9:30-16:30(金曜のみ-19:00、会期は5/29まで)
CLOSED:月曜、4/30、5/6、5/14

大人¥400、中・高生¥300、小学生¥200(団体割引あり)

5/15は国際博物館の日のため無料。
※ 20名以上の団体は個別チケットを50円引きします。
※ 個別チケットで常設展もあわせてご覧いただけます。ただし、KYOTOGRAPHIE共通パスポートでは常設展はご覧いただけません。

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